人文研究見聞録:『旧事紀』による日本神話(神代本紀)

このページでは、『旧事紀』の「神代本紀」の現代語訳を紹介しています。

史書の概要などについては「『旧事紀』による日本神話」のページを参照してください


前書

目的・留意点

はじめに、この記事に関する目的と留意点をまとめておきます。

・この記事は、『旧事紀』に記される「日本神話」の内容の理解を目的としています
・原文を現代語で理解できるようにするために、原文を現代語に訳して箇条書きで表記しています
・他書との比較のため、神名はカタカナで表記しており、また「~のみこと」「~のかみ」などの尊称を省略しています
・非常に長い神名の場合、読みやすくするために半角スペースを開けている場合があります
・原文に沿った翻訳を心がけていますが、他の訳文と異なる場合があります(現代語訳の一つと思ってください)
・()で囲んだ神名は、その神の別名とされるものです(複数ある場合は「、」で区切っています)
・()で囲んだ文章は原文には無いものですが、内容を理解しやすいように敢えて書き加えています
・サブタイトルについては独自に名付けたものであり、原文にはありません
・旧事紀はテーマ別に記されており、他書と違って時系列順になっていない部分があります
・当サイトで扱う現代語訳は「日本神話」の部分のみであり、天皇の御代は扱っておりません


神代本紀

天地開闢

・昔、自然の気は混沌としており、天と地も分かれていなかった
 ・これは鶏卵の中身のようであり、その中には仄かに何かが芽生えつつあった
 ・やがて、清んだ気が立ち昇って天となり、濁ったものは重く沈んで地となった
 ・いわゆる国土が浮きながら漂い、開けて別れたというのは このことを指す
 ・例えるならば、泳ぐ魚が水の上方に浮いているようなものである
 ・故に、まず天が出来あがり、その後に地が出来あがった
・その後、高天原に生まれた一柱の神をアマユズルヒ アマノサギリ クニユズルヒ クニノサギリの尊という
 ・以後、独りで生じる神の他、共に生じる神が二代、二柱が並んで生じる神が五代と続いた
 ・これらを併せて神世七代の神々という


神代系紀

・天祖
 ・アマユズルヒアマノサギリクニユズルヒクニノサギリ
・第一代
 ・アマノミナカヌシ(アマノトコタチ)
 ・ウマシアシカビヒコジ
・第二代
 ・クニノトコタチ(クニノサダチ、クニノサツチ、ハコクニ)
 ・トヨクニヌシ(トヨクムヌ、トヨカフヌ、ウキフヌトヨカイ、トヨクイ)
 ・アマノヤクダリ
  ・この神は、一柱で化生した天津神の第一世代の神である
・第三代
 ・ツノクイ(ツノタツタマ)・妹 イククイ
 ・別 アマノミクダリ
  ・この神は、一柱で化生した天津神の第二世代の神である
・第四代
 ・ウイヂニ(ウイヂネ)・妹 スイヂニ(スイヂネ)
 ・別 アマアイ(アマノカガミ)
  ・この神は、一柱で化生した天津神の第三世代の神である
・第五代
 ・オオトマヒコ(オオトノヂ、オオトムヂ、オオトマヒコ)・妹 オオトマベ(オオトノベ、オオトムベ、オオトマヒメ)
 ・別 アマノヤオヒ
  ・この神は、一柱で化生した天津神の第四世代の神である
・第六代
 ・アオカシキネ(アワナギ、オモタル)・妹 アヤカシキネ(カシコネ、カガリヒメ)
 ・別 アマノヤヨロズタマ
  ・この神は、一柱で化生した天津神の第五世代の神である
・第七代
 ・イザナギ(アマクダルヲ)・妹 イザナミ(アマクダルメ)
 ・別 タカミムスヒ(タカタマ、タカギ)
  ・この神は、一柱で化生した天津神の第六世代の神である
・第八代
 ・カミムスビ、ツハヤムスヒ、フルムスヒ、ヨロズムスヒ
  ・第七代のイザナギ・イザナミおよび、第八代の天津神は共に天降った神である

※第八代に当たる神がどの神なのか よく分からない(第八代の系譜上の神の記載はややこしいため割愛する)



後書

参考文献

先代旧事本紀(ウィキペディア)
天璽瑞宝(現代語訳「先代旧事本紀」)
『先代旧事本紀』の現代語訳(HISASHI)


関連項目

日本神話のススメ(記紀神話の解説とまとめ)
『古事記』による日本神話
『日本書紀』による日本神話
『古語拾遺』による日本神話
神武東征