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2015年10月20日火曜日

日本神話のススメ(記紀神話の解説とまとめ)

人文研究見聞録:日本神話のススメ(記紀神話の解説とまとめ)

日本に生まれ住んでいる日本人のうち、日本の成立を物語っている「日本神話」について知っている人はどれだけいるのでしょうか?

近年の学校教育で学ぶ歴史とは、年表に沿った歴史的事実を覚えるだけであり、「日本神話」の内容については ほとんど触れません。

そのため、天皇がなぜ 何ゆえに天皇であるのか?を知る人は以外に少ないと思われます。

それについては「日本神話」にしっかりと書かれています。また、神社に祀られる神の役割や、歴史教科書の年表には記されていない歴史も数多く記載されています。

日本とは何か?どんなルーツがあって成立したのだろうか?そうした、国民として半ば当たり前の知識を、今一度「日本神話」を通して知る必要があるのではないでしょうか?

※以下、用語や人物名についてはウィキペディアのリンクを貼っておきます。詳しく知りたい方はそちらもご参照ください。


日本神話を知る上でのメリット

日本神話の読むメリット一覧

「日本神話」を読んでみて、自分が感じたメリットは以下の通りです。

・年表上における古代史との違いが分かる
 → 古代日本で最も有名な人物である「卑弥呼」は日本の正史(日本書紀)には登場しないなど
 → 古代日本は朝鮮半島と深い関わりがあった(三韓征伐任那日本府の存在など)
・神社がどういう神を祀っているのかが分かる
 → その神社が、どういう意味合いでそこに存在しているのかが分かる
 → 神社が謳っている御利益の元ネタが分かるようになる(どの神話が引用されているのか?など)
・自分の住んでいる地域についての理解が深まる
 → 神話と地域の関係性から、意外と知らない事実が発見できる
 → 地域にまつわる民話と、日本神話の関わりを理解できるようになる
 → 近隣の史跡などについて理解や好奇心が持てるようになる
 → 自分自身のルーツとなる氏神や古代氏族の歴史が分かることもある
・他国の神話との類似性が分かる
 → ギリシア神話やエジプト神話などとコンセプトが類似している所が多々ある
 → 記法やストーリーが旧約聖書に類似している所もある
・ウンチクが語れるようになる
 → 日本神話について詳しい人が少ないため、話題を提供しやすくなる(逆に、如何に知られてないかも分かる)
 → 寺社や博物館などの展示物について、そういうルーツの物なのかが理解できるようになる(ことが多い)
・フィクション作品の設定をより深く理解することができる
 → 神々の他にも、フィクション作品に登場する妖怪変化や異形の者などが多々登場する(土蜘蛛など)
 → 女神転生・ペルソナシリーズが好きな人は、より楽しめるようになると思われる
 → ファンタジー作品のほとんどが、神話からの引用であることが分かるようになる

挙げればキリがありませんが、「日本神話」を読むだけで古代史観や それにまつわる価値観が大きく変わります。


日本神話の魅力一覧

個人的な見解ですが、「日本神話」には以下の様な魅力があると思います。

・現存する世界最古の神話である
 → 天皇が天皇である由縁は「日本神話」の中にある
  ⇒ 神道は『記紀』を「神典」とし、それに基づいた儀式・祭礼を行っている
  ⇒ 神話は世界中にあるが、その多くは文化的に引き継がれていない(エジプト神話、ギリシア神話など)
・パブリックドメインである(知的財産権が存在しない文献)
 → ファンタジー系のフィクション作品は大体「神話」を元ネタにしている
  ⇒ 著作権は存在しないため、文学作品や造形作品などに生かすことが可能である
・神代は現在マイナーとされている地方が舞台になっていることが多い
 → ヤマタノオロチは実は北陸地方(高志国)から来たとされる(福井・石川・富山・新潟・山形)
 → スサノオやオオクニヌシは山陰地方中心のストーリーである(島根・鳥取)
 → 東国(東日本)にはアマツミカボシという星神がいた(関東以東)
 → ニニギの天孫降臨は日向の高千穂である(宮崎)
 → 後半は北九州や畿内が舞台になる(福岡・大阪・奈良)
・実は『記紀』以外にも日本の神話を記した書物が数多くある(ただし『記紀』以外は偽書だと云われる)
 → 各地方の神話は、それぞれの国の『風土記』の中に記される(ただし、完本なのは『出雲国風土記』のみ)
 → 『先代旧事本紀(旧事紀)』を下敷きにしている神社は数多くある
 → 『ホツマツタヱ』は神代文字で記された文献である
 → そのほかにも多数の古史古伝と呼ばれる文献がある(詳しくは「古史古伝」を参照)
・神話の中には「神の武器」や「UFOらしきもの」なども登場する
 → スサノオがヤマタノオロチを斬った剣は「アメノハバキリ」または「オロチノアラマサ」と呼ばれる
 → ニギハヤヒは「天磐船(アメノイワフネ)」によって地上に天降ったとされる

ざっと挙げるとこんな感じです。

特に「現存する世界最古の神話」という点が興味深く、それを以って「国家システム」や「国民文化」などが現代まで維持されているということが、日本の歴史の深さを物語っているいると言えます。

なお、現代の国内旅行のテーマは専ら「食」や「近世の史跡」とされがちですが、「日本神話」を下敷きにすれば そのテーマも広がりやすく、かつ、目的とする候補地の幅も広がり、旅行の楽しみがさらに増えると言えるでしょう。


記紀神話についての基礎知識

日本神話とは?

主に『古事記』と『日本書紀』に記載されている神話がそれに当たります。この二書の末尾を取って「記紀」または「記紀神話」と略されることが一般的です。

一級史料として、公に認められているのが「記紀神話」になりますが、この他にも各地方の地誌である『風土記』や、「古史古伝」と呼ばれる史料も存在します。しかし、「記紀」とは内容が異なるとして、「偽書」扱いされているのが現状です。

古史古伝についてはこちらを参照:【古史古伝とは?】


記紀神話の成立

・古事記:712年成立。
・日本書紀:720年成立。

他国の神話に比べ、比較的新しい時代に成立しています。古史古伝の中には、これ以前に成立したとされるものもありますが、公には認められていません。


古事記とは?

古事記』に関する概要を、箇条書きにして説明します。

要 綱

・読み方: 『古事記』(こじき、ふることふみ)
・概 要: 正史『日本書紀』よりも古く成立しているため、便宜上、日本最古の歴史書とされる
・表 記: 変体漢文(万葉仮名に漢字を当てたもの)で記載される。そのため、国内向けの史書であるといわれる
・時 代: 天地開闢(天地の初め)~第33代推古天皇まで
・巻 数: 上・中・下(全三巻)

特 徴

・一貫したストーリー性であり、内容に「和歌」が多様される
・大国主(オオクニヌシ)のストーリーが詳しく描かれる
・聖徳太子は名前以外に登場しない(厳密には上宮之厩戸豊聡耳命という名前のみ)
・神代から続く天皇の系譜を中心に記載される
 → 人代の出来事に関しての記述は『日本書紀』に比べて少ない
・歴代天皇の特徴が記載される(巨大であった、歯並びが良かったなど)
・初期の天皇は非常に長寿であったことが記載される(大体100歳を超える)

発 端

・「乙巳の変」の後、蘇我蝦夷が屋敷を焼いて自殺を図った。その際、歴史書が焼失したという
・天武天皇は、日本各地の歴史・伝承・神話における嘘や誤りを正すために『古事記』の編纂を目指した(序文より)

編纂者

稗田阿礼(ひえだ の あれ)
 → 一度見聞きしたことは決して忘れないという超記憶能力者
 → 天武天皇の命により旧辞、帝紀を暗唱した
太安万侶(おお の やすまろ)
 → 元明天皇に古事記を献上した文官
 → 稗田阿礼が暗唱したものを文章化した人物

経 緯

・天武天皇は、稗田阿礼に諸家に伝わる帝紀、旧辞を習わせた
・しかし、天武天皇の時代には完成せず、構想は持統天皇、文武天皇へと引き継がれた
・元明天皇の時代に文官・太安万侶に命じて、稗田阿礼が暗唱したものを書物に記録させた
・和銅5年(712年)に書物として『古事記』が成立した

研究史

・1764年(江戸中期)、国学者・本居宣長の古事記研究による注釈書『古事記伝』が寄稿された
 → これにより、それ以前は「日本書紀」に対して冷遇されていた『古事記』の評価が上がったとされる
 → つまり、『古事記』が注目され始めたのは、比較的最近のことであると言える


日本書紀とは?

日本書紀』に関する概要を、箇条書きにして説明します。

要 綱

・読み方: 『日本書紀』(にほんしょき)
・概 要: 奈良時代に成立した日本の歴史書。日本に伝存する最古の正史であり、六国史の筆頭にあたる
・表 記: 漢文・編年体をとり、国外向けの史書であるともいわれるが、漢文の誤用も多々あるとされる
・時 代: 天地開闢(天地の初め)~第41代持統天皇まで
・巻 数: 全30巻。系図1巻が付属したが失われたとされる

特 徴

・本文に対し、「ある書によると…」のような異伝、異説による注釈が追加されている
 → そのため、神代は非常に読みづらい
・大国主(オオクニヌシ)のストーリーが大幅に省かれている
・神武天皇の祖母に当たるトヨタマヒメの正体は龍であるとされる
 → ただし、古事記・異伝ではヤヒロワニ
・饒速日命(ニギハヤヒ)について、『古事記』よりも情報量が多い
 → しかし、「十種神宝」は登場しない
・日本武尊(ヤマトタケル)に関するストーリーや印象が『古事記』とは大幅に異なる
・日本史に登場する出来事が詳しく記載される
・聖徳太子について非常に詳しく記載される
・朝鮮半島の情勢と日本の関係について詳しく記載される
・天文や天災の記録、不思議な現象、妖怪変化についても度々記載される

発 端

・本文中には成立の経緯の記載はない
 → 歴史的背景として、「乙巳の変」後の史書喪失が関係すると思われる
・続日本紀には、舍人親王が天皇の命を受けて『日本紀』を編纂したと記されている
 → ただし、書名が『日本書紀』ではなく『日本紀』となっているため、同一史料とする点に異論もある

編纂者

・続日本紀によると、舍人親王(天武天皇の皇子)とされている
 → ただし、製作させたのは藤原不比等であるという見解が一般的である

備 考

・異伝、異説が多用されることから、別の史書から引用している文章が多いと思われる
・朝鮮半島との絡みについては、『三国史記』と照らし合わせた文章を挿入していると思われる
・神の系譜に『古事記』と異なる部分も存在する(オオクニヌシやスクナヒコナの系譜など)
・記紀共に卑弥呼は登場しない
 → 卑弥呼については、中国文献である『三国志』の「魏志倭人伝」の中に登場する
 → 神功皇后と卑弥呼を同一視させるような記述も見られるが、時代が合わないとする見方が一般的である


日本神話の世界

日本神話の世界観

日本神話の世界観は以下の通りです。

・上:高天原(たかまがはら) - 天上の世界
・中:葦原中国(あしはらなかつくに) - 地上の世界。この世
・下:黄泉国(よみのくに)根の国(ねのくに) - 地中の世界もしくは異世界。あの世
・?:常世国(とこよのくに) - 海の彼方の国とされるが詳細不明


日本神話の神々の分類

日本神話の神々は、以下のように分類されます。

・別天津神(ことあまつかみ):天地開闢の時に現れた神々を指し、天津神の中でも特別な存在とされる
・天津神(あまつかみ):高天原に住む天上の神々を指し、天神(てんじん)とも呼ばれる
・国津神(くにつかみ):葦原中国の土着の神々を指し、地祇(ちぎ)とも呼ばれる


日本神話の流れ

日本神話・神代

人文研究見聞録:日本神話のススメ

古事記のみは「緑」日本書紀のみは「紫」で表示します。

1.天地開闢

・遥か昔、まだ天地陰陽が分かれておらず 、混沌としていてまるで鶏の卵のようであった
・そこに多少の兆しがあり、澄んで明るいものは薄く広がって天となり、重く濁ったものは地となった
・天となるものは動きやすく、地となるものは固まりにくかったので、天が先に生まれ、後に地が固まった
・世界の最初に高天原で、別天津神・神世七代の神々が誕生する(記紀により異なる)
・天地が分かれて初めて登場した神は、「アメノミナカヌシ」「タカミムスビ」「カミムスビ」であった(造化の三神
 → 世界の初め、最初に生まれた神は「クニノトコタチ」であり、次に「クニノサツチ」「トヨクモ」が生まれた(本文)
・これらの神々の最後に生まれてきたのが「イザナギ・イザナミ」であり、後に日本の国々と神々を産む

2国産み

・イザナギ・イザナミは天の浮橋に立ち、天沼矛で混沌をかき混ぜてオノゴロ島をつくる
・オノゴロ島に降り立った両親は、結婚して大八洲(日本列島)の島々を次々と生み出していった

3神産み

・国産みの後、さまざまな神々を生み出し、それぞれに役割を与えていった
・火の神「カグツチ」を産んだ際に、イザナミは女陰を焼かれて死ぬ(その際の嘔吐物などからも神が生じる)
 → ※『日本書紀』では、カグツチが生まれる以前に三貴子を産むという話もある(異伝)
 → その際、イザナミの尿から生まれたワクムスビの子が「トヨウケビメ」である
 → ※トヨウケビメは伊勢神宮(外宮)の祭神とされ、そのことは古事記の天孫降臨の段に記載される
 → ※トヨウケビメは日本書紀には登場しない
・イザナギは、イザナミの死の原因となったカグツチを憎み、腰に帯びた剣でカグツチを殺す
 → カグツチの死の際に飛び散った血や、剣から滴った血からも多くの神が誕生した

4イザナギの黄泉国訪問

・イザナギは、亡きイザナミを追って黄泉国を訪問する
・しかし、黄泉国で朽ちたイザナミの姿を見てしまったイザナギは、黄泉国から逃亡を図る
・怒ったイザナミは、ヨモツシコメや雷神にイザナギの後を追わせる
・なんとか逃げのびたイザナギは、黄泉比良坂の入り口を岩で塞いでイザナミと別れる
・イザナギは、黄泉国での穢れを祓うために禊を行う

5三貴子の誕生

・イザナギが洗い落とした黄泉国の穢れからも神々が生じた(住吉三神などが有名)
・イザナギの禊の際、最後に「三貴子(アマテラス・ツクヨミ・スサノオ)」が生まれた
・イザナギは喜び、三貴子にそれぞれ高天原・夜・海原の統治を命じた(記紀で内容がやや異なる)
・しかし、スサノオは命令に反して母に会いたいと言い続けたため、根の国に追放された

※ツクヨミに関する説話は日本書紀のみに記されます

・ツクヨミはアマテラスの命令で食糧神「ウケモチ」に会いに行く
・ウケモチは自らの体から食物を生み出す神であり、ツクヨミはそれを不気味に思った
・ウケモチは口から出した食物をツクヨミに出したところ、ツクヨミは激怒してウケモチを斬り捨てた
・これをアマテラスに報告したところ、アマテラスは怒ってツクヨミを嫌った
・それ以降、昼と夜が別れるようになった
・一方、ウケモチの死体からは様々な食糧か生じたため、アマテラスは使者を出してそれを回収させた

6アマテラスとスサノオの誓約

・スサノオは根の国へ向う途中、アマテラスに会いに高天原へと向かう
・アマテラスはスサノオが高天原を奪いに来たのかと勘違いし、弓矢を携えてスサノオを迎えた
・スサノオはアマテラスの疑いを解くために誓約で身の潔白を証明した
・その際、宗像三女神と五柱の男神を儲ける(記紀で内容がやや異なる)
 → アマテラスは、スサノオの剣から三柱の女神を儲ける
 → スサノオは、アマテラスの鬟から五柱の男神を儲ける
・アマテラスの命によって、それぞれが生んだ神々は交換された

7天岩戸

・その後、スサノオが高天原で乱暴を働いたためアマテラスは天岩戸に隠れた
・アマテラスが岩戸に隠れたため、高天原は光を失い、暗黒に包まれた
・そこで、神々はアマテラスを岩戸から誘い出す計略を練った
・「オモイカネ」の提案により、神々は祭りを行って、「アメノウズメ」は舞い踊った(記紀で内容がやや異なる)
・アマテラスが外が騒々しいのを気にして岩戸を少し開いた所、神々はアマテラスを引っ張り出して岩戸を塞いだ
・その後、スサノオは高天原の神々に罪を咎められ、下界に追放された(記紀で内容がやや異なる)

※古事記では、スサノオ追放後に日本書紀のツクヨミと類似する説話が記載されます

・スサノオは食糧を求めて食糧神「オオゲツヒメ」の元を訪ねた
・オオゲツヒメはスサノオの頼みを聞き入れ、快く食物を提供した
・しかし、口・鼻・尻などから出した食物を調理している所をスサノオに見られてしまう
・スサノオはオオゲツヒメの出す食物を汚物であると思い、怒ってその場で斬り捨てた
・後にオオゲツヒメの死体から蚕と五穀が生じたため、カミムスビがそれを回収した

8出雲神話

スサノオは出雲の国に降り、「ヤマタノオロチ」へ娘を差し出すことを悲しむ老夫婦に出会う
・スサノオは、その娘「クシナダヒメ」を娶ることを条件に、ヤマタノオロチ退治を名乗り出る
・スサノオは計略を以ってヤマタノオロチを退治し、その尾から「天叢雲剣(アメノムラクモ)」を発見する
・天叢雲剣は後に高天原のアマテラスに献上された(この時点では草薙剣とは呼ばれていない)
・ヤマタノオロチを退治したスサノオはクシナダヒメと結婚し、多くの子を儲ける
・以降、時代は下り、スサノオの子孫とされる「オオナムチ」が登場する(記紀により異なる)

※以下、国づくりまで古事記のみ

・スサノオの子孫であるオオナムチとその他の兄弟は、「ヤガミヒメ」に求婚するために因幡に向かう
・オオナムチは兄弟たちの荷物を背負わされ、独り遅れてその後を追っていた
・途中、ワニを騙したためにケガをした「因幡の白兎」に出会う
・先に通りかかった兄弟たちは嘘を教えて白兎を痛めつけた
・最後に通りかかったオオナムチは、白兎に治療法を教えて救った
・白兎は、そのお礼にヤガミヒメは兄弟たちに振り向かないという予言を教えた
・兄弟たちがヤガミヒメの元に辿りつき求婚したが、ヤガミヒメはオオナムチと結婚すると言った
・兄弟たちは怒って赤いイノシシを放ってオオナムチを殺す
・オオナムチの母神は悲しんで高天原の「カミムスビ」に蘇生を頼んだ
・カミムスビは貝の女神を派遣してオオナムチを蘇生させた
・兄弟たちは山に罠を仕掛けて再度オオナムチを殺すが、オオナムチは再び蘇生された
・殺され続けるオオナムチを心配した母神は、オオヤビコに頼んでオオナムチを根の国に逃がした
・オオナムチは、根の国でスサノオの娘「スセリヒメ」に見初められるが、スサノオに試練を与えられる
・しかし、試練の度にスセリヒメに助けられ、オオナムチは命を繋ぐ
・やがて、オオナムチはスサノオに気に入られるようになったため、隙を見て根の国脱出を図る
・「出雲の神宝」を持ち出し、スセリヒメと共に根の国を脱出しようとしたが、スサノオにばれて後を追われる
・しかし、追いつけなかったスサノオは、オオナムチに娘と神宝を託し「大国主」の名を与えて逃亡を許した
・葦原中国に戻ったオオナムチは、兄弟たちを退治して国を創った
・その後、スセリヒメを正妻として、ヤガミヒメなど複数の妻を娶り、多くの子を儲けた

詳しくはこちらの記事を参照:【ヤマタノオロチ退治】【因幡の白兎/根の国訪問】【大国主とは?】

9葦原中国の国づくり

大国主は、常世国からやってきた小さい神と出会う
・ヒキガエルとカカシ(クエビコ)に正体を聞き出すと「スクナヒコナ」であることが分かった
・大国主はスクナヒコナと共に葦原中国の国づくりを始めた(記紀によって異なる)
・その後、葦原中国が完成する前にスクナヒコナは常世国へ帰ってしまった
・大国主が国づくりの方針に悩んでいたとき、海の彼方から光り輝く神がやってきた
・その神(大物主)は、大和の東の山へ魂を祀れば国づくりに協力すると言った(記紀によって異なる)
・大国主はその神(大物主)を「三輪山」に祀り、葦原中国を治めた

詳しくはこちらの記事を参照:【大国主の国づくり/葦原中国平定】【大物主とは?】

10葦原中国平定(国譲り)

※記紀および、日本書紀の本文・異伝でも大分内容が異なる

・天津神は、葦原中国を統治するべきなのはアマテラスの子孫が相応しいと言いだした
・そのため、何人かの神を出雲に使わしたが、幾分上手くはいかなかった
・最後に「フツヌシ」と共に「タケミカヅチ」を使わして、武力による交渉を以って大国主を脅すことにした
・タケミカヅチは出雲に降る前に、東国の「アマツミカボシ」を先に始末することにした(日本書紀のみ)
・大国主は息子の意向に従うとし、息子である「コトシロヌシ」と交渉するように言った
・コロシロヌシはタケミカヅチの脅しに屈し、すぐに国譲りを了承した
・一方、「タケミナカタ」は反発したが、タケミカヅチとの争いに負け、諏訪に封じ込められた(古事記のみ)
・大国主は最終的に自らの宮殿建設(出雲大社)と引き換えに、天津神に国を譲ることを了承した

11天孫降臨

・アマテラスの孫である「ニニギ」が、葦原中国平定を受けて天津神と共に葦原中国に降臨することになった
 → ※ニニギはスサノオが生んだ五柱の男神のうちのオシホミミの子である
ニニギの降臨の際、アマテラスはニニギに「三種の神器」を与えた(日本書紀の異伝に記載)

※サルタヒコは日本書紀の本文には登場しない(古事記と異伝の一部に登場する)
 
・ニニギら天津神の一行は、天降る途中の道の辻で高天原から葦原中国を照らす神と出会う
・天津神はその神に恐れ、アメノウズメを使わして神の正体を暴かせた
・すると、その神は「サルタヒコ」と名乗り、天津神の皇子を先導するために来たと言った(サルタヒコは国津神)
・ニニギはサルタヒコに導かれ、九州・日向(高千穂)に降臨した
・アマテラスは、オモイカネら数名の天津神を集めて「三種の神器」を与えて地上に降ろした
・サルタヒコは、自分の正体を暴いたアメノウズメに伊勢まで送らせ、後にそのまま仕えることとなった
・ニニギはアメノウズメを呼んで(伊勢まで)サルタヒコを送り、そのままサルタヒコに使えるように命じた
・ニニギは高千穂で美しい娘「コノハナサクヤヒメ」と出会い、そのまま求婚する
・後にニニギはコノハナサクヤヒメと結婚したが、出会ってすぐに懐妊したため、ニニギはその子の出自を疑った
・コノハナサクヤヒメは怒って誓約をし、火中で生まれたならばニニギの子であるとして無事に出産した

12山幸彦と海幸彦

・ニニギの子のうち、兄ホデリは海幸彦、弟ホオリは山幸彦である
・海幸彦は海での漁を、山幸彦は山での猟を生業としていた
・あるとき、兄弟はお互いの道具を交換してみようと提案した(記紀によって提案する方が異なる)
・しかし、道具を交換してもお互いに良いことはなく、再び道具を戻すことにした
・だが、山幸彦は兄の釣り針を無くしてしまい、代用品を渡したが兄は一向に許そうとしなかった
・困った山幸彦の元へシオツチノオジが現れ、相談したところ、釣り針を探すために海神の元へ案内された
・山幸彦が海神の宮殿へ赴くと、海神の娘「トヨタマヒメ」に見初められ結婚することになる
・海神は釣り針を見つけ出し、それを山幸彦に渡したが、同時に兄を追い詰める2種類の玉を渡した
・そこで、海神は山幸彦に対して、海幸彦をやり込める方法を教えて地上に返した
・山幸彦は海神の言うとおりに、海幸彦をやり込めて最終的に奴隷として従わせた
・その後、トヨタマヒメが産気付き、地上で出産することになる
・トヨタマヒメは、出産の姿は決して覗くなと忠告するが、山幸彦は興味本位で覗いてしまう
・すると、出産時のトヨタマヒメの姿は「(またはワニ)に変わっていた(記紀によって異なる)
・覗いたことに怒ったトヨタマヒメは海に帰り、代わりに妹「タマヨリヒメ」を乳母として遣わした
・なお、その時生まれた子が「ウガヤフキアエズ」であり、後に乳母のタマヨリヒメと結ばれ、4柱の子を儲ける
・そのうちの「カムヤマトイワレビコ」が、後の「神武天皇」である


日本神話・人代

人文研究見聞録:日本神話のススメ

13神武東征

・「イワレビコ」と兄弟たちは九州・日向(高千穂)を治めていたが、国全体を統治するために新天地を求める
・そこで、大和(近畿地方)から国全体を治めることに決め、兄弟たちと共に大和を目指して東征する
・その最中、従う者は味方にし、刃向う者とは戦いながら、東へ向って進軍して行った
・難波の地に入ったとき、難波の先住民である「ナガスネヒコ」の軍と対峙するが、イワレビコの軍は惨敗する
・その際、イワレビコの兄・イツセは負傷し、太陽を背にして難波を攻めることを誓う
・イツセは途中で亡くなるが、イワレビコは熊野経由で東から大和へ攻め入るように進軍する
・しかし、イワレビコの軍は熊野に入った時に全員が気を失ってしまう(記紀で理由は異なる)
・そこに一本の霊剣を持った「タカクラジ」がやって来ると全員が目を覚ます
・タカクラジ曰く、夢にアマテラスとタカミムスビが現れてイワレビコを救うように命じたという
・その霊剣は、タケミカヅチが葦原中国を平定した時に持っていたフツノミタマだという
・また、タカミムスビの計らいで、道案内役に高天原からヤタガラスが与えられた
・イワレビコはフルノミタマを手に入れ、「ヤタガラス」と共に東を目指した
・途中、吉野や宇陀で数々の味方を引き入れ、敵対するヤソタケルや土蜘蛛らを倒しながら進軍した
・そして、再びナガスネヒコと戦うことになるが、何度戦ってもナガスネヒコの軍には敵わなかった
・そのとき不思議な「金色のトビ(金鵄)」がイワレビコの弓先に止まり、凄まじい輝きを放った
・その輝きを以ってナガスネヒコ軍は戦意を喪失してしまった
・そこでナガスネヒコはイワレビコに対し、どういう理由で大和を攻めるのかを尋ねた
・イワレビコは この国は天津神の皇子が治めるのが相応しいと言ったが、ナガスネヒコには納得いかなかった
・なぜなら、ナガスネヒコが仕えている君主も天津神の皇子「ニギハヤヒ」であったためである
・ナガスネヒコは それをイワレビコに伝えると、イワレビコはその証拠を持ってくるように言った
・ナガスネヒコはすぐに、ニギハヤヒの持っている「」と「カチユキ(矢筒)」を証拠として見せた
・イワレビコはそれを見て本物であることを認め、ナガスネヒコはイワレビコに対し畏怖した
・しかし、ナガスネヒコはイワレビコに対する敵意を抑えることができなかった
・また、ニギハヤヒは天津神の序列をナガスネヒコに教えても理解できないだろうと思い、ナガスネヒコを殺した
・これを以って大和の政権はイワレビコに渡され、人々はイワレビコに従った
・その後、イワレビコは橿原宮で帝位に就き、「ハツクニシラススメラミコト(日本の初代天皇)」となった
 → ※「神武天皇」というのは、崩御後に送られる諡号です

※詳しくは「神武東征」を参照

※以下、神話的な内容の応神天皇までまとめます(歴史的事実の多くは日本書紀に記載されます)

14欠史八代

・綏靖天皇(すいぜいてんのう)
・安寧天皇(あんねいてんのう)
・懿徳天皇(いとくてんのう)
・孝昭天皇(こうしょうてんのう)
・孝安天皇(こうあんてんのう)
・孝霊天皇(こうれいてんのう)
・孝元天皇(こうげんてんのう)
・開化天皇(かいかてんのう)

15崇神天皇(すじんてんのう)

大物主の祟り:国民の半数が疫病により死亡
 → 宮中に祀られていたアマテラスヤマトオオクニタマを外に出して祀る
 → 皇女の「トヨスキイリヒメ」をアマテラスのミツエシロ(依代)にして、笠縫邑に祀らせる
 → 皇女のヌナキノイリヒメをヤマトオオクニタマに祀らせるが、失敗する
 → 占いで祟りの原因を探ると、オオモノヌシの祟りであると分かる
 → 祟りを鎮める方法を聞くと、「オオタタネコ」にオオモノヌシを祀らせるように言われる
 → 神託により、イチシノナガオチにヤマトオオクニタマを祀らせるよう指示される
 → オオモノヌシとヤマトオオクニタマを祀る神主を定め、官社や祭祀方法を定めた
 → これにより疫病が治まったため、以後 この方法を各地に伝えた(神社制度の始まり
四道将軍の派遣:北陸・東海・山陽・丹波へ将軍と兵を派遣し、各地を平定した
武埴安彦の乱:タケハニヤスヒコとその妻・アタヒメによる謀反
箸墓古墳の造成:大物主の妻「ヤマトトトヒメ」の墓。昼は人が作り、夜は神が作ったとされる
海外への四道将軍を派遣:異民族を同化・教化した
・任那国から朝貢されるようになる(朝鮮半島との外交が記される)

16垂仁天皇(すいにんてんのう)

都怒我阿羅斯等(ツヌガアラシト)敦賀に流れ着いた加羅国(朝鮮の一国)の王子で、額に角のある人とされる
天日槍(アメノヒボコ)新羅(朝鮮の一国)の王子で、但馬国に神宝を献上した
・サボヒメとサボヒコの反乱:皇后のサボヒメが兄のサボヒコに脅されて謀反に協力するが、サボヒメは自害する
・ミツエシロの交代:トヨスキイリヒメからアマテラスを離し、垂仁天皇の皇女の「ヤマトヒメ」に付ける
皇大神宮の創始:ヤマトヒメ」は菟田、近江、美濃、伊勢を巡幸し、アマテラスが此処が良いと言ったため、祠を建てた
殉葬の禁止:埴輪を殉死者の代わりにする
田道間守と非時香菓田道間守を常世国へ派遣し、不老長寿の薬・非時香菓を探させた
 → 徐福伝説に類似する説話

17景行天皇(けいこうてんのう)

・オウス(ヤマトタケル)の西征と東征
・武内宿禰の誕生:景行・成務・仲哀・応神・仁徳の5代に仕えた忠臣(非常に長寿であるとされる)
・成務天皇

古事記におけるヤマトタケル

・オウスの怪力や野蛮な性格を恐れた父・景行天皇は、オウスを疎んで、単身での西征・東征を命じた
・オウスは伊吹山の神の化身である白いイノシシとの戦いに敗れて死に、死後白鳥となって飛び去った

日本書紀におけるヤマトタケル

・オウスの怪力や勇猛な性格を讃えた父・景行天皇は、オウスに期待し、兵を与えて西征・東征を命じた
・オウスは伊吹山の神の化身である大蛇との戦いに敗れて死に、死後白鳥となって飛び去った

18仲哀・神功

・仲哀天皇
 → ヤマトタケルの第二皇子。熊襲を討ちに筑紫へ赴いた際、神に背いて怒りに触れ、崩御(記紀で異なる)
・神功皇后
 → 仲哀天皇の皇后。優秀な巫女であり、神に従って三韓征伐(朝鮮の三国を従えた)を成功させたとされる

19応神以降

・応神天皇:三韓征伐以後、朝鮮諸国から朝貢を受けるようになったとされる。

以後、古事記では推古天皇、日本書紀では持統天皇まで記述されます。

武烈天皇で皇統が一度途切れますが、後に続く継体天皇は応神天皇の5世孫とされており、その流れで皇統が続きます。


日本神話は無料で読めるのか?

ネット上で公開されている訳文について

記紀神話は著作権が切れた書物であるため、パブリックドメインとして無料で公開されています。

ただし、それらは原文ですので、現代語訳をしているサイトのリンクを貼っておきます。

【日本神話が読めるサイト一覧】

『古事記』(原文)Wikisourceが提供している古事記の原文です
『日本書紀』(原文)Wikisourceが提供している日本書紀の原文です
日本神話・神社まとめ古事記・日本書紀の原文と現代語訳を比較しながら訳しているサイトです
さわださんちのホームページ古事記・日本書紀の人代(天皇代)以降の内容を訳しているサイトです

なお、初めての方は、『古事記』 → 『日本書紀』の流れで読み始めることをおススメします。

理由は、ストーリーに一貫性がある『古事記』に比べ、『日本書紀』は異伝の注釈だらけで非常に読み辛いからです。

そのため、『古事記』でおおまかなストーリーを頭に入れておいてから『日本書紀』を読むと、日本神話の内容がスムーズに理解でき、「記紀」の違いについても分かるようになります。


当サイトで公開している訳文

当サイトで公開している『日本神話』の訳文は以下の通りです。なるべく原文に沿って訳しているので、良かったら読んでみてください。




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