人文研究見聞録:浅沢社(淺澤神社) [大阪府]

大阪市住吉区にある浅沢社(あさざわしゃ)です。

住吉大社の境外末社であり、市杵島姫命(弁天さん)を祀ることから「住吉大社の弁天さん」とも呼ばれています。

なお、住吉大社の「初辰まいり」という信仰においては、3番目に参拝すべき社であるとされています。


概要

人文研究見聞録:浅沢社(淺澤神社) [大阪府]

創建の由来は不詳ですが、古くは当地から南にかけて清水の湧く大きな池があり、その池は「浅沢池」と呼ばれてカキツバタが美しく咲き乱れる名勝であったとされています。そのため、古くから歌人たちに愛され、『万葉集』を始めとする歌集に収められた歌の中に その名を見ることが出来るそうです。

なお、現在は住吉大社の末社として「弁天さん」とも称される「市杵嶋姫命(イチキシマヒメ)」を祀り、美容芸能女性守護の神として信仰を集めているとされています。ちなみに住吉大社に参拝する女性は、当社にも必ず参る慣わしになっているそうです。

祭神

浅沢社の祭神は以下の通りです。

主祭神

・市杵島姫命(イチキシマヒメ):誓約で生まれた三女神の一(宗像三女神の一)
 → 弁財天に習合されて祀られている(池の畔で祀られているケースが多い)

初辰まいり

種貸社
楠珺社
浅沢社
大歳社

住吉大社には「初辰まいり」という商売繁盛・家内安全の信仰があるとされています。

これは、毎月の初辰日(日干支における初の辰日)に住吉大社の末社である「種貸社」「楠珺社」「浅沢社」「大歳社」の4社を決められた順序通りに参詣すれば、より一層 御利益を得られるというものであり、4年を一区切りとして48回参拝すれば満願成就となるとされます。

なお、48回という回数は「四十八辰」と「始終発達」に掛かっているとされ、「種貸社 → 楠珺社 → 浅沢社 → 大歳社」という順序は「資本 → 運用 → 回収」という商売の流れを汲んでいると云われているそうです。

参拝の順序

1.種貸社:倉稲魂命(ウガノミタマ)を祀る
2.楠珺社:宇迦魂命(ウガノミタマ)を祀る
3.浅沢社:市杵島姫命(イチキシマヒメ)を祀る
4.大歳社:大歳神(オオトシノカミ)を祀る

料金: 無料
住所: 大阪府大阪市住吉区住吉2丁目11-21(マップ
営業: 終日開放
交通: 住吉大社駅(徒歩7分)

公式サイト: http://www.sumiyoshitaisha.net/place/massya.html
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。