人文研究見聞録:河邊七種神社 [三重県]

三重県伊勢市にある河邊七種神社(かわべななくさじんじゃ)です。

室町時代に創建された神社であり、地元では古くから「天王さん」と呼ばれて親しまれているそうです。

また、毎年夏に行われる例祭「天王祭」は伊勢の三大祭りの一つに数えられており、多くの人で賑わうとされています。


由緒

由緒書によれば、宝徳3年(1451年)、旧家村田氏によって創建され、当初は「河崎社」と称されて河崎の産土神を祀っていたとされています。その後、明治4年(1871年)6月に河邊の里という地名から「河邊七種神社」と改称したそうです。

なお、明治23年9月に境内社・菅原社、秋葉社を合祀し、明治41年11月に各字に祀られていた広峰社、水神社、稲荷社、幸神社、猿田社、金毘羅社(須佐之男命のほか十座)を合祀して現在に至るとされています。

祭神

河邊七種神社の祭神は以下の通りです。

・須佐之男神(スサノオ):出雲の祖神
・八衢比古神(ヤチマタヒコ):道を守る神、道祖神とも(ヤチマタヒメと対を為す)
・八衢比賣神(ヤチマタヒメ):道を守る神、道祖神とも(ヤチマタヒコと対を為す)
・久那斗神(クナドノカミ):邪霊の侵入を防ぐ塞の神、八衢比古神・八衢比賣神と共に道祖神であるとされる
大物主神(オオモノヌシ):奈良県の三輪山に鎮座するとされる神(金刀比羅権現とも)
・火産霊神(ホムスビ):火伏せの神・カグツチと同神とされる
菅原道真公(すがわらのみちざねこう):天満天神、学問の神
・水神:水の神と思われる
・宇迦之御魂神(ウカノミタマ):稲荷神(伊勢周辺ではトヨウケビメと同神と云われる)
・不詳二座

吉家神社(吉家稲荷神社)

人文研究見聞録:河邊七種神社 [三重県]

河邊七種神社の境内社・吉家稲荷神社です。

創建由緒は不明ですが、稲荷神である宇迦之御魂神(倉稲魂命とも)を祀っているとされています。

祭神

・宇迦之御魂神(ウカノミタマ):稲荷神(以下は扁額にある祭神名 ※稲荷神の別名であろう)
 ・吉家松倉正一位稲荷大明神
 ・吉家末助大明神
 ・吉家虎光大明神
 ・吉家小妻大明神
 ・吉家小菊大明神

天王祭(河崎天王祭)

人文研究見聞録:河邊七種神社 [三重県]

河邊七種神社の例祭である天王祭は「てんのうさん」と呼ばれ、古い歴史を持つ祭として、岳の開山、世義寺の護摩さんと並び、伊勢の三大祭の一つに数えられているとされています。

毎年7月中旬頃 (7月14日後の日曜)に河邊七種神社及び河崎地区で行われ、神輿をはじめ、勢田川での水中金魚花火、河崎音頭などの様々なイベントが催され、周辺には多数の夜店が並び、多くの人で賑わうそうです。

拝殿

人文研究見聞録:河邊七種神社 [三重県]

河邊七種神社の拝殿です。

本殿

人文研究見聞録:河邊七種神社 [三重県]

河邊七種神社の本殿です。

神木

人文研究見聞録:河邊七種神社 [三重県]

河邊七種神社の神木です。

3本の大木が注連縄で括られており、鳥居が設けられています。

お白石集積所

人文研究見聞録:河邊七種神社 [三重県]

河邊七種神社のお白石集積所です。

伊勢神宮の式年遷宮を構成する祭事の1つである「お白石持」に使用される白石が集められています。

料金: 無料
住所: 三重県伊勢市河崎2丁目19-29
営業: 終日開放
交通: 伊勢市駅(徒歩13分)

公式サイト: http://kyoka.mie-jinjacho.or.jp/shrine/%E6%B2%B3%E9%82%8A%E4%B8%83%E7%A8%AE%E7%A5%9E%E7%A4%BE/
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。