人文研究見聞録:宇須乃野神社・縣神社 [三重県]

三重県伊勢市にある宇須乃野神社(うすののじんじゃ)・縣神社(あがたじんじゃ)です。

宮町駅周辺に鎮座する豊受大神宮(外宮)の摂末社であり、古くから当地に鎮座する古社であるとされています。


神社概要

宇須乃野神社

宇須乃野神社は豊受大神宮(外宮)の摂社で、式内社・宇須乃野神社に比定されている古社であり、社名の「宇須乃野」は鎮座地周辺の原野の名前であるとされています(外宮の摂社16社のうち第14位であるとも)。

なお、平安初期に編纂された外宮の社伝『止由気宮儀式帳』に「高河原社」として記載されることから、延暦23年(804年)以前には存在していたと考えられており、『伊勢度会郡高向郷高向村高向神社記』によれば、理由は不詳とされますが、幾度に亘って社殿が大破したため、高向大社を方角の基準として再建した記されているそうです。

また、中世には祭祀が行われなくなったため、近世には社地不明となったとされますが、寛文3年(1663年)に現在地に再興されて現在に至るとされています。

祭神

・宇須乃女命(うすのめのみこと):五穀豊穣の神とされる(※文献によって異なる)
 → 五穀霊神:不明(『神名秘書』)
 → 宇賀能美多麻神、宇賀能賣神:ウカノミタマと同名の神とされる(『伊勢度会郡高向郷高向村高向神社記』)
 → 草野姫命(カヤノヒメ):イザナギ・イザナミから生まれた草の神(『神名帳再考』)

縣神社

縣神社は豊受大神宮(外宮)の末社であり、祭神に鎮座地・高向の上田(あがた)の守護神である縣神(あがたのかみ)を祀っているとされています(外宮の末社8社のうち第2位であるとも)。

祭神

・縣神(あがたのかみ):高向の上田(あがた)の守護神

境内の様子

社殿

人文研究見聞録:宇須乃野神社・縣神社 [三重県]

宇須乃野神社・縣神社の社殿です。

玉垣内に上記の両社が祀られています。

神木

人文研究見聞録:宇須乃野神社・縣神社 [三重県]

境内にある神木です。

およそ樹齢1000年と伝えられているそうです。

料金: 無料
住所: 三重県伊勢市御薗町高向字南世古2653
営業: 終日開放
交通: 宮町駅(徒歩12分)
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。