人文研究見聞録:茨木神社 [大阪府]

大阪府茨木市にある茨木神社(いばらきじんじゃ)です。

平安時代に創建された古社であり、祭神に建速素盞嗚尊・誉田別命・天児屋根命を祀っています。


神社概要

由緒

公式サイトによれば、大同2年(807年)に坂上田村麻呂が荊切の里(いばらきりのさと)を作った時、天石門別神社(今の奥宮)が創建されたことに始まるとされます。

平安時代には『延喜式神名帳』の摂津国島下郡十七座の一つとして天石門別神社の名が載せられており、中条村・茨木村の氏神として国主・領主をはじめ、多くの人々の崇敬を集めたとされています。

中世には楠木正成が茨木村の近くに砦を築き、戦国時代には城郭が整えられたことから、茨木村は農村から城下町へと変貌したため、天石門別神社も現在地に遷座し、以後 代々の城主の崇敬を受けたとされます。

なお、織田信長が統治手段としてキリスト教の保護と神社仏閣の焼却を行った際、高槻城の高山右近によって当社も焼却の対象になったものの、「天照大御神・春日大神・八幡大神・牛頭天皇(素盞嗚大神)の諸社は焼くべからず」という条件があったため、当社は牛頭天皇を祀ると詐称して焼却を免れたとも伝えられているそうです。

その後、江戸時代の元和8年(1622年)に牛頭天皇・春日大神・八幡大神を祀る社殿を新造して本殿とし、天石門別神社を奥宮として現在に至るとされています。

祭神

茨木神社の祭神は以下の通りです。

【主祭神】

・建速素盞嗚尊(タケハヤスサノオ):素戔男尊の別名(牛頭天王と習合)
 → 素盞鳴尊(スサノオ):三貴子の一柱で出雲の祖神(天照大神の弟神に当たる)

【配祀神】

・誉田別命(ホムタワケ):第15代応神天皇
 → 応神天皇(おうじんてんのう):第15代天皇であり、八幡神として全国の八幡宮などで祀られる
・天児屋根命(アメノコヤネ):「天岩戸神話」において祝詞を上げ、フトダマと共に鏡を差し出した神
 → 中臣連(後の藤原氏)の祖神であり、春日権現、春日大明神とも呼ばれている

境内社

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天石門別神社
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皇大神社
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稲荷神社
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恵美須神社
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皇太神社
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天満宮・主原・多賀・琴平
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厳島神社
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愛宕神社

茨木神社の境内社は以下の通りです。

【奥宮】

・天石門別神社(式内社):主祭神に天手力男命、配祀神に豊国神・東照神・天宇受売命を祀る

【境内社】

・皇大神宮:天照大御神を祀る
・稲荷神社:宇迦御魂命を祀る
・恵美須神社:事代主命・大国主命を祀る
・皇太神社:天照大御神を祀る
・天満宮:菅原道真公を祀る
・主原神社:天児屋根命・応神天皇を祀る
・多賀神社:伊射那岐命を祀る
・事平神社:大物主神・崇徳天皇・金山彦命を祀る
・厳島神社:市杵島姫命を祀る
・愛宕神社:火産霊命を祀る

境内の見どころ

鳥居

人文研究見聞録:茨木神社 [大阪府]

茨木神社の鳥居です。

狛犬

人文研究見聞録:茨木神社 [大阪府]

茨木神社の狛犬です。

参道と神門

人文研究見聞録:茨木神社 [大阪府]

茨木神社の参道と神門です。

茨木城搦手門

人文研究見聞録:茨木神社 [大阪府]

茨木神社にある茨木城搦手門(いばらぎじょうからめてもん)です。

茨木城は建武年間(1334~1336年)に楠木正成が築いたと伝えられています。

参集殿

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茨木神社の参集殿です。

えとくぐり

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茨木神社のえとくぐりです。

干支の描かれた門をくぐって参拝すると開運・厄除・繁栄守護の神徳が受けられるとされています。

拝殿

人文研究見聞録:茨木神社 [大阪府]

茨木神社の拝殿です。

本殿

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茨木神社の本殿です。

茨木童子像

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茨木神社には茨木童子像があります(市内に多数ある)。

茨木童子(いばらぎどうじ)とは大江山の鬼伝説で知られる鬼の一人で、茨木出生説があります。

絵馬

人文研究見聞録:茨木神社 [大阪府]

茨木神社の絵馬には茨木童子が描かれています。

料金: 無料
住所: 大阪府茨木市元町4-3(マップ
営業: 9:00~16:00(受付)
交通: 茨木市駅(徒歩10分)、茨木駅(徒歩12分)

公式サイト:http://www.ibarakijinja.or.jp/
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。