人文研究見聞録:割子そば [島根県]

島根県の出雲名物である割子そば(わりごそば)を紹介します。

概要

人文研究見聞録:割子そば [島根県]

割子そば とは、三段の丸い漆器に盛って出されるソバのことで、出雲そばの食べ方の一つとされています。

この割子(わりご)とは、江戸時代に松江の趣味人たちが野外でソバを食べるための弁当箱が基になっており、当初は四角形であったとされますが、隅が洗いにくく不衛生であるため、現在のような丸形になったそうです。

食べ方は、割子に盛られたソバに薬味をかけ、器にダシ汁を掛けて食べるようになっており、薬味はおろし大根、ねぎ、海苔、もみじおろし、かつおぶしなどが一般的とされます。また、割子は重ねて出され、一番上の割子にダシ汁を全部入れてソバを食べ、残ったダシ汁を次の割子にかけるという風に、ダシ汁を使い回しながら食べてゆくものとされています。

なお、出雲地方では奥の院詣りや神在祭のときにソバを食べるのが庶民の楽しみであったとされ、また不昧公の愛称で知られる第7代松江藩主・松平治郷は、お忍びで夜に屋台のソバを食べに行くほどの蕎麦好きだったそうです。


感想

人文研究見聞録:割子そば [島根県]

出雲そばはソバの風味が強く、割子に盛られているとわんこ蕎麦感覚で食べ進めることが出来ます。なお、ソバの風味が強い理由は、玄そば(殻のついたそばの実)をそのまま製粉しているからなんだそうです。

薬味との相性がよく、ダシ汁が絡みやすいため、個人的には美味しくいただけました。この割子そばは、出雲大社周辺や松江市街などで食べることができ、場所によってはホテルの朝食などでも提供されています。
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。