人文研究見聞録:北向岩屋十一面観音 [滋賀県]

滋賀県東近江市にある北向岩屋十一面観音(きたむきいわやじゅういちめんかんのん)です。

猪子山の山頂に岩窟があり、その中に奈良時代に安置されたと伝わる十一面観世音菩薩の石像が祀られています。

なお、猪子山は標高268mで頂上までは非常に長い石段を登る必要がありますが、岩窟の光景は荘厳なものとなっています。


概要

由緒

人文研究見聞録:北向岩屋十一面観音 [滋賀県]

由緒書によれば、延暦10年(791年)に坂上田村麻呂が鈴鹿の鬼賊を討伐する際、繖山(きぬがさやま)の嶺の東北端に位置する島帽子岩窟内に十一面観世音菩薩の石像を安置して祈願したと伝えられています。

また、この十一面観音菩薩は像高48cm・光背30cm・蓮座高13.5cmの石仏であり、合掌の手に数珠を掛けている姿は他に類を見ない珍しいものであるとされています。

なお、由緒書による解説は以下の通りです。

北向岩屋観音

桓武天皇の延暦10年 西暦791年

坂上田村麻呂が鈴鹿の鬼賊を討伐の際、この繖山五嶺の東北端 烏帽子岩窟内に十一面観世音菩薩の石像を安置して祈願されたと伝えられている。

この観音菩薩は像高48糎、光背30糎、蓮座高13.5糎となっており、合掌の手に数珠をかけられている お姿は他に見かけられないと言われている。

毎年7月17日には千日会法要が盛大に勤行される。

御詠歌

きぬがさ山に 登りてただたのめ しるしあらたな 岩屋観音

本尊

人文研究見聞録:北向岩屋十一面観音 [滋賀県]

・十一面観音(じゅういちめんかんのん):観音菩薩の変化身の1つであり、六観音の1つとされる
 → 当観音像は、合掌の手に数珠を掛けている珍しいものとされる

境内の見どころ

石段

人文研究見聞録:北向岩屋十一面観音 [滋賀県]

北向岩屋十一面観音までの石段です。

猪子山公園の入口から距離があり、さらに大変な長さの石段となっているため、登るのが大変でした。

岩屋

人文研究見聞録:北向岩屋十一面観音 [滋賀県]

十一面観音の祀られる岩屋です。

巨大で荘厳な岩屋となっており、表面には 豊川大神・玉姫大神・玉吉大神 と刻まれています。

観音堂

人文研究見聞録:北向岩屋十一面観音 [滋賀県]

十一面観音の祀られる観音堂です。

岩屋と直結しており、内部には十一面観音の石像が祀られています。

巨石群

人文研究見聞録:北向岩屋十一面観音 [滋賀県]

猪子山の頂上付近には、いくつかの巨石群があります。

猪子山からの風景

人文研究見聞録:北向岩屋十一面観音 [滋賀県]

猪子山頂上からの風景です。

料金: 無料
住所: 滋賀県東近江市猪子町(マップ
営業: 終日開放
交通: 能登川駅(徒歩27分)

公式サイト:http://www.biwako-visitors.jp/spot/detail/552
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。