人文研究見聞録:将門神社(我孫子市) [千葉県]

千葉県我孫子市にある将門神社(まさかどじんじゃ)です。

住宅街の一角に鎮座している比較的小さな神社であり、関東の英雄である平将門公の戦没後、当地の村人によってその霊が祀られたことに始まる神社とされています。

なお、周辺には日秀西遺跡があり、神社の南東には将門公が使ったとされる「将門の井戸」があります。

平将門についてはこちらの記事を参照:【平将門とは?】


由緒

人文研究見聞録:将門神社(我孫子市) [千葉県]

公式サイトによれば、天慶3年(940年)に将門公が戦没すると、その霊は遺臣らと共に手賀沼を騎馬にて乗り切り、湖畔の岡陵に登って朝日を拝んだということから、村人が当地に一字を奉祀したのが将門神社の起源であるとされています。

当初は旧日秀村(ひびりむら)に鎮座する将門社だったとされますが、明治41年(1908年)に字掘込(ほつこめ)にあった無格社 水神社を合祀して将門社から将門神社となったそうです。

現在の祭礼は7月14日の祇園祭(例祭)のみであり、「宮なぎ」と呼ばれる行事によって神社を清掃後、神主、氏子総代らの役員当番により、神前に玉串を上げ、当屋にて直会の宴を行うといった内容であるとされています。

なお、神社が鎮座する日秀(ひびり)の地名について、将門公の霊が日の出を拝んだことから、または遺臣の日出弾正という者が当地に隠栖したことから来ていると伝えられているそうです。

また、日秀では将門公が幼少期を過ごしたと伝わっており、将門公の半生にちなんで、桔梗を植えても花が咲かない※1、胡瓜(きゅうり)は輪切りにしない※2、成田不動尊へは参拝しない※3などの俗習があるとされています。

※1 愛妻・桔梗御前の裏切りによって将門が討たれたという伝説があるため
※2 将門公の紋所である九曜紋が、胡瓜の輪切りに似ているため
※3 平将門の乱の際、成田山新勝寺で将門調伏のための護摩祈祷が行われたため

祭神

将門神社の祭神は以下の通りです。

主祭神

・平将門公(たいらのまさかど):平安時代に活躍した関東の豪族であり、民衆を救ったとして関東では英雄視される
 → 将門神社では「将門大明神」とも呼ばれている
 → 死後も首だけで生き続けたとする伝承があり、日本最強の怨霊としても有名である

合祀

・水波賣命(ミヅハノメ):日本における代表的な水神であるとされる
 → 字掘込にあった水神社の祭神(明治時代に合祀)

鳥居

人文研究見聞録:将門神社(我孫子市) [千葉県]

将門神社の鳥居です。

扁額には「将門大明神」と刻まれています。

境内社

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人文研究見聞録:将門神社(我孫子市) [千葉県]
人文研究見聞録:将門神社(我孫子市) [千葉県]

将門神社の境内社です。

小さな石祠に注連縄が張られており、天照皇大神や稲荷神社などと刻まれています(他には大日…とある)。

石碑群

人文研究見聞録:将門神社(我孫子市) [千葉県]

将門神社の境内には記念碑供養塔が点在しています。

料金: 無料
住所: 千葉県我孫子市日秀131
営業: 終日開放
交通: 湖北駅(徒歩18分)

公式サイト: http://masakadojinjya.jimdo.com/
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。