人文研究見聞録:延命寺(島の薬師) [茨城県]

茨城県坂東市岩井にある延命寺(えんめいじ)です。

石井営所の鬼門除けに始まる古刹であり、現在は本尊に大日如来を祀る真言宗豊山派の寺院となっています。

別名「島の薬師」とも呼ばれ、薬師堂では将門公の守り本尊とされる薬師如来像を祀っています。

そのため、坂東市の将門公ゆかりの社寺の一つに数えられています。

平将門についてはこちらの記事を参照:【平将門とは?】


由緒

由緒書によれば、島広山の石井営所の鬼門除けとして建立された寺院であり、本尊に薬師如来像を祀っていたとされます。その後、天慶3年(940年)に藤原秀郷、平貞盛らに石井営所一帯を焼かれた際、薬師如来像は移し隠され、世の静まるのを待ってから再び祀られ、「島の薬師」と呼ばれて親しまれてきたそうです。

文安2年(1445年)には、将門公の子孫に当たる相馬家によって本堂・薬師堂・山門が建てられ、その当時は真言宗に属する寺院として国王神社の隣に寺域を構え、国王神社の別当寺になったとされています。しかし、その後の火災によって山門以外が焼失してしまったそうです。

また、薬師堂は後に有慶上人によって再建されたものの、江戸時代に再び火災に遭い、現在も仮堂のままとされています。なお、薬師堂に安置される薬師如来像は、行基が高野山の霊木を刻んだと云われる将門公の守り本尊と称する持護仏であり、将門公の死後に祀られたものと伝えられているそうです。

本堂

人文研究見聞録:延命寺(島の薬師) [茨城県]

延命寺の本堂です。

本尊の大日如来坐像を祀っており、本尊は茨城県の重要文化財に指定されているそうです。

薬師堂

人文研究見聞録:延命寺(島の薬師) [茨城県]

延命寺の薬師堂です。

朱塗りの堂宇であり、将門公の守り本尊とされる薬師如来像が祀られています。

鐘楼

人文研究見聞録:延命寺(島の薬師) [茨城県]

延命寺の鐘楼です。

仏堂

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人文研究見聞録:延命寺(島の薬師) [茨城県]

延命寺の境内には多数の仏堂石仏が祀られています。

料金: 無料
住所: 茨城県坂東市岩井1111
営業: 終日開放
交通: 三妻駅(徒歩120分)、坂東号 庁舎間シャトル「国王神社」下車ほか

公式サイト: http://www.city.bando.lg.jp/sp/page/page000387.html
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。