人文研究見聞録:廣旗神社 [香川県]

香川県高松市円座町にある廣旗神社(ひろはたじんじゃ)です。

ことでん円座駅の周辺に鎮座しており、主祭神に応神天皇(八幡神)を祀る八幡社となっています。

なお、境内社である青龍宮は雨乞いに著しい霊験があるとされているそうです。


神社概要

由緒

由緒書によれば、創祀は平安時代の天喜元年(1053年※1であり、同年に社殿を造営し、天治元年(1124年)に拝殿を造営したとされています。また一説には、天治元年(1124年)に当村の北原孫太夫の創建で、元久5年※2 4月に再建されたとも云われているそうです。

なお、現在は応神天皇(八幡神)を祀る八幡社であり、京都の石清水八幡宮からの勧請とされますが、『全讃史』という書によれば「祠あり、松王小児の霊を主とす。後に八幡をもってこれに配す。故に松王山という」とあり、かつては主祭神を松王という小児の霊としていたとされているようです。

※1 由緒書には紀元1713年とあるが、これは皇紀(神武天皇即位紀元)を指す。
※2 元久という元号は一般的には3年までとされるため、詳しい年代は不明(1200年代初頭と思われる)

祭神

主祭神

・応神天皇(おうじんてんのう):第15代天皇であり、八幡神として全国の八幡宮などで祀られる

関連社

和田積神社(青龍宮)

人文研究見聞録:廣旗神社 [香川県]

廣旗神社の境内社・和田積神社(わだつみじんじゃ)です。

祭神に豊玉比賣命(トヨタマヒメ)を祀っています(大海神の娘か?いずれにせよ雨を司る龍神とされる)。

案内板によれば、鎌倉中期の文永年中(1264~1274年)に廣旗神社の氏子によって創祀され、当時は香川郡西の雨乞いの祈願所だったとされています。旱魃(かんばつ)の度に雨乞いを祈願し、長百姓を惣代として日々参拝が続けられたそうです。

なお、江戸中期の元禄12年6月に大旱魃があり、翌月七月の請雨祈祷で著しい神験があったことから、藩主・松平頼常によって神像を城内に遷座されたそうです。その後、護智院、石清尾八幡宮の遷座を経て曹祠に復遷され、青龍宮と称えられたとされています。

地神塔

人文研究見聞録:廣旗神社 [香川県]

廣旗神社の境内にある地神塔です。

五角形の塔に地神とされる五柱の神々(天照大神・大己貴命・少彦名命・埴安姫命・倉稲魂命)の名が刻まれています。

なお、これは徳島県独特の祭礼に由来するものであり、江戸中期(1790年)に徳島藩主・蜂須賀治昭によって藩内全域に公布された「地神祭」を起源とするものとされています。後に徳島県から四国、全国へと広まっていったそうです。

詳しくはこちらの記事を参照:【謎の地神塔】

境内の見どころ

神門

人文研究見聞録:廣旗神社 [香川県]

廣旗神社の神門です。

門の両脇に随神を祀っています。

拝殿

人文研究見聞録:廣旗神社 [香川県]

廣旗神社の拝殿です。

王子大権現

人文研究見聞録:廣旗神社 [香川県]

廣旗神社の境内社・王子大権現です。

祭神については、分かりませんでした。

天満宮

人文研究見聞録:廣旗神社 [香川県]

廣旗神社の境内社・天満宮です。

祭神は菅原道真公であると思われます。

金刀比羅宮

人文研究見聞録:廣旗神社 [香川県]

廣旗神社の境内社・金刀比羅宮です。

祭神は大物主命であると思われます。

その他の境内社

人文研究見聞録:廣旗神社 [香川県]

廣旗神社の地神塔付近には、五社が納められた境内社があります。

祭神については、分かりませんでした。

料金: 無料
住所: 香川県高松市円座町1352(マップ
営業: 終日開放
交通: 円座駅(徒歩10分)
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。