大阪府堺市にある出雲大社大阪分祠（いずもたいしゃおおさかぶんし）です。

昭和期に創立された出雲大社の分祠であり、祭神に大國主大神・火之迦槌大神を祀っています。

初芝さんとも呼ばれ、悪縁切り・縁結びの御利益があることで有名な神社とされています。




パンフレットによれば、当初は愛宕大権現河内分社であったとされ、神託を受けた教主・吉村亀治（初代分祀長）が現在 元宮（今の御旅所）と呼ばれている地に社殿を構えて火之迦槌大神（愛宕大権現）を祀ったことが起源とされます（wikipediaによれば昭和21年の創建）。

その後、昭和24年（1949年）に宗教法人として出雲大社教に加わり、出雲大社（島根県）より大國主大神の分霊を迎えて奉斎し、火之迦槌大神・大國主大神の二柱の神を祀る出雲大社河内教会となったそうです。

これ以後は、昭和27年（1952年）に神楽殿の造営と境内の拡張が行われ、昭和31年（1956年）に出雲大社河内大教会、昭和33年（1958年）に出雲大社大阪分祠に昇格して現在に至るとされています。


出雲大社大阪分祠の祭神は以下の通りです。

神楽殿・教主殿・神和殿

祖霊社

不動明王社

出雲大社大阪分祠の境内社は以下の通りです。





出雲大社教とは、明治6年（1873年）に当時 出雲大社の大宮司であった千家尊福（せんげたかとみ）が創設した教団であり、現在では出雲大社の社務所内に本部を構える教派神道（神道十三派）の一つとされています。

なお、日本は江戸時代まで神仏習合という形で神社と寺院が混淆しており、当時は寺院が圧倒的な権力を誇っていたとされています。それが明治以後、神仏分離令によって分けられ、国家としては日本古来の神道を国教として国民統合の支柱とする「国家神道」という思想の元、神道が広められるようになったとされます。

ただし、政府は「神道は宗教ではない」とする「神社非宗教論」を以って憲法における「信教の自由」を回避したことから、「神道は非宗教」という認識となったそうです（昭和20年の神道指令によって終了）。

しかし、古来より宗教として神道を布教してきた神社のいくつかはこれに反対し、神道系の宗教団体を設立していったとされています。その際、政府は信者数などの一定の条件を満たした教派を独立教派として公認したとされ、そのうちの一つが「出雲大社教」であるとされています。

以来、出雲大社教では出雲大社を宗祠とし、出雲信仰を布教するために各地に御師を派遣したそうです。それによって出雲大社の分祠が北海道から沖縄までの全国各地に広まり、現在では海外のハワイにまで及んでいます。

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パンフレットによれば、大阪分祠の拝礼作法は以下のようなものとされています。





出雲大社大阪分祠の鳥居です。



出雲大社大阪分祠の大国主像です。

因幡の白兎をモチーフにした像となっています。



出雲大社大阪分祠の手水舎です。

估鵬（こほう）と呼ばれる鳥があしらわれた珍しい形になっています。



出雲大社大阪分祠の神牛像です。



出雲大社大阪分祠の神楽殿です。



出雲大社大阪分祠の百度石です。



出雲大社大阪分祠の神馬像です。



出雲大社大阪分祠の狛犬です。



出雲大社大阪分祠の拝殿です。

棟上に估鵬（こほう）という神徳を運ぶ神鳥があしらわれています。



出雲大社大阪分祠の賽銭箱です。

円柱形の珍しい形になっています。



出雲大社大阪分祠の本殿です。



出雲大社大阪分祠の不動明王社です。



出雲大社大阪分祠の祖霊社です。