人文研究見聞録:大土神社 [兵庫県]

兵庫県神戸市にある大土神社(おおつちじんじゃ)です。

六甲山の麓に鎮座しており、蛙石(かえる石)という奇岩があることで知られています。


神社概要

由緒

由緒書によれば、享保9年(1724年)より当社付近を流れる六甲川の水力を利用した水車造りが盛んになり、川沿いに多数の水車が建設され、これを利用して菜種から灯油を搾る事業が繁昌したとされます。

これにより、油搾りが行われた水車郷に水車新田という村が成立したため、寛延元年(1748年)に村民が郷土および輸送の海路の平安を願って天照大神・住吉大神・天満宮などを勧請し、村の鎮守社として祭祀したことに始まるとされています(現在は「水車のお宮」と俗称される)。

また、当社の川下に別社である厳島神社があるそうです。

なお、由緒書では以下のように説明されています。

神社の建立は桃園天皇の御代 寛延元年(1748年)である。

これより以前、享保9年(1724年)から、六甲川谷筋の此の地で先覚者により、水力の利用を目的とした開発が試みられた。以後、多くの人々の努力の末、六甲川沿いに多数の水車が建設され、盛特には25輌に達した。これら水車によって菜種から灯油を搾り、新在家の浜から盛んに江戸へ船積みした。

油搾りの水車郷である水車新田の成立に至り、村民が郷土および輸送の海路の平安を願って勧請し、鎮守の社として祭祀して来た。別社として、川下の字尻屋、現・大土平町二丁目に厳島神社(御祭神・市杵島姫命)を祀る。

祭神

大土神社の祭神は以下の通りです。

主祭神

・天照大神(アマテラス):太陽を神格化した三貴子の一柱であり、伊勢内宮の主祭神として知られる
・住吉大神(すみよしおおかみ):「日本神話」に登場する神であり、住吉大社の主祭神として知られる
菅原道真公(すがわらのみちざね)平安中期の政治家(死後、天満天神として信仰される)

境内社

人文研究見聞録:大土神社 [兵庫県]

大土神社の境内には朱色の社殿が建てられています。

詳細は不明ですが、傾向的に稲荷社で稲荷神を祀っているものと思われます。

境内の見どころ

鳥居

人文研究見聞録:大土神社 [兵庫県]

大土神社の鳥居です。

拝殿

人文研究見聞録:大土神社 [兵庫県]

大土神社の拝殿です。

両脇に小さな社が建てられています。

かえる石

人文研究見聞録:大土神社 [兵庫県]
人文研究見聞録:大土神社 [兵庫県]

大土神社にある かえる石 です。

駐車場付近にある蛙の形をした奇岩であり、出かける際に撫でて参拝すると"無事かえる"と言われています。

また、"腰を掛けると腹痛を起こす"とも言われているようです。

六甲川の奇岩

人文研究見聞録:大土神社 [兵庫県]
人文研究見聞録:大土神社 [兵庫県]

大土神社の境内から見える六甲川の河原には、丸っこい奇岩が多数あります。

一説にはオタマジャクシの形であると言われ、境内から河原に降りて間近で確認することもできます。

料金: 無料
住所: 兵庫県神戸市灘区鶴甲3-15-24(マップ
営業: 終日開放
交通: 六甲駅(徒歩18分)

公式サイト: http://www.hyogo-jinjacho.com/data/6301032.html
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。