人文研究見聞録:生田神社 [兵庫県]

兵庫県神戸市にある生田神社(いくたじんじゃ)です。

神功皇后の時代に稚日女尊が祀られたことに始まる古社とされ、神戸の語源にもなったと云われています。

また、縁結びの神社として有名であり、結婚式の件数が多いことでも知られています。


神社概要

由緒

由緒書によれば、生田神社は稚(わか)く瑞々(みずみず)しい日の女神である「稚日女尊(わかひるめのみこと)」を祀っている神社であり、創祀は古く、「神功皇后元年(201年)、神功皇后が三韓より帰還する砌(みぎり)に神託を得て、"活田長狭国(いくたながさのくに)"に鎮斎したことに始まる」とされます(由緒は『日本書紀』に基づく)。

また、"神戸(こうべ)"という地名も当社の"神戸(かんべ)"より起こったとされ、古来より朝廷および民衆からの崇敬が篤かったそうです。

なお、生業守護・健康長寿の守護として名高く、家運隆昌・円満和楽の神徳から現在でも神前結婚式の件数が多いため、"縁結びの神"としても有名であり、多くの災害の影響を受けても その都度 復興を遂げたことから"蘇る神"としても崇敬を受けているとされています。

祭神

生田神社の祭神は以下の通りです。

主祭神

・稚日女尊(ワカヒルメ):「日本神話」に登場する神で「稚く瑞々しい日の女神」を意味するとされるが具体的には不明
 → 天照大神の幼名、妹、和魂であるといわれている
 → 『ホツマツタヱ』という文献によれば、ヒルコ(蛭子神)の尊名であるとされる
  ⇒『記紀神話』ではヒルコは不具の子であったため、捨てられたとされている

境内社

人文研究見聞録:生田神社 [兵庫県]
市杵島神社
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稲荷神社
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塞・雷大臣・人丸神社
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蛭子神社
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大海神社
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松尾神社
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戸隠神社
人文研究見聞録:生田神社 [兵庫県]
生田森坐社

生田神社の境内社は以下の通りです。

・住吉神社:表筒男命(ウワツツノオ)・中筒男命(ナカツツノオ)・底筒男命(ソコツツノオ)を祀る
・八幡神社:応神天皇(おうじんてんのう)を祀る
・諏訪神社:武御名方命(タケミナカタ)を祀る
・日吉神社:大山咋命(オオヤマクイ)を祀る
・市杵島神社:市杵島姫命(イチキシマヒメ)を祀る
・稲荷神社:稲倉魂命(ウガノミタマ)を祀る
・塞神社:道返大神(チガエシノオオカミ)・八衢比古神(ヤチマタヒコ)・八衢比売神(ヤチマタヒメ)を祀る
・雷大臣神社:中臣烏賊津連(なかとみのいかつおみのむらじ)を祀る
・人丸神社:柿本人麿(かきのもとのひとまろ)を祀る
・蛭子神社:蛭子命(ヒルコ)を祀る
・大海神社:猿田彦大神(サルタヒコ)を祀る
 → 神戸の地主神として、当地に最も古く祀られていた神とされる
・松尾神社:大山咋命(オオヤマクイ)を祀る
・戸隠神社:手力男命(タヂカラオ)を祀る
・生田森坐社:神功皇后(じんぐうこうごう)を祀る

境内の見どころ

鳥居

人文研究見聞録:生田神社 [兵庫県]

生田神社の鳥居です。

楼門

人文研究見聞録:生田神社 [兵庫県]

生田神社の楼門です。

拝殿

人文研究見聞録:生田神社 [兵庫県]

生田神社の拝殿です。

生田の森

人文研究見聞録:生田神社 [兵庫県]

生田神社の鎮守の森である生田の森です。

古くは源平合戦の戦場になったことで知られています。

楠の神木

人文研究見聞録:生田神社 [兵庫県]

生田神社の楠の神木です。

樹齢500年と云われる楠であり、神戸大空襲で焼けても再び蘇ったとされています。

折れ鳥居

人文研究見聞録:生田神社 [兵庫県]

生田神社の折れ鳥居です。

江戸時代初期に建てられたものとされますが、安政の大地震によって折れてしまったとされます。

なお、交通安全に御利益があるとも云われているそうです。

包丁塚

人文研究見聞録:生田神社 [兵庫県]

生田神社の包丁塚です。

料理人の魂ともいえる包丁を納めるための塚であり、全国的に珍しいとされています。

料金: 無料
住所: 神戸市中央区下山手通1丁目2-1(マップ
営業: 7:00~日没(時期によって異なる)
交通: 三宮駅(徒歩6分)

公式サイト: https://ikutajinja.or.jp/
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。