人文研究見聞録:靖国神社 [東京都]

東京都千代田区九段北にある靖国神社(やすくにじんじゃ)です。

戊辰戦争の戦没者を祀る東京招魂社を前身としており、現在では戦没した護国の英霊を祀る神社として知られています。

そのため、終戦記念日である8月15日には多くの人々が参拝に訪れます。


神社概要

由緒

人文研究見聞録:靖国神社 [東京都]
東京招魂社

幕末維新期に戊辰戦争の戦没者を慰霊、顕彰する動きが各地で活発化したため、大村益次郎が東京に招魂社(戦没者慰霊の神社)を創建することを提案し、明治天皇の勅許を受けて明治2年(1869年)に前身である「東京招魂社」が創建されたことに始まるとされます。

創建以後、東京招魂社は軍の管轄とされますが、一般の神社とは異なる「招魂社」には不安定要素があったため、軍当局は正規の神社にするために社名の変更と別格官幣社への列格を要請し、明治天皇の裁可を得て明治12年(1879年)6月4日に「靖國神社」への改称に至ったとされています。

なお、社名は明治天皇が命名したものであり、「靖国」は『春秋左氏伝』の「吾以靖国也(吾以つて国を靖んずるなり)」を典拠としているそうです。

また、戦後はGHQによる神道指令の発布によって政教分離政策が推進されため、国家管理を離れて宗教法人となり、日本政府との直接的な関係は無くなったとされます。

そして、現在では日本の国内外の事変・戦争等における戦没者を「英霊」として祀る神社として、遺族および参拝者の崇敬を集めています。

祭神

人文研究見聞録:靖国神社 [東京都]
特攻勇士の像

靖国神社には、幕末から大東亜戦争に至るまでの間に戦没した「護国の英霊(246万6584柱)」が祀られています。

終戦記念日の靖国神社

人文研究見聞録:靖国神社 [東京都]
終戦記念日の様子

終戦記念日である8月15日には靖国神社には老若男女問わず多くの人々が訪れます。

概ね「護国の英霊」に対する感謝と慰霊のために訪れていると思われますが、周辺ではデモ活動なども行われています。

歴史認識などの違いから、個人や団体が抱く思惑によって活動内容は様々です。

これらについて個人的には賛成も否定もしませんが、実態を知っておくためにも一度訪れることをお薦めします。

境内の施設など

第一鳥居(大鳥居)

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靖国神社の第一鳥居です。

勅祭社で東を向いている大鳥居は珍しいものとされています。

参道

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靖国神社の参道です。

春には桜(ソメイヨシノ)が咲き乱れる「桜の名所」として知られています。

大村益次郎銅像

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靖国神社の大村益次郎銅像です。

大村益次郎は近代日本陸軍の創設者であり、靖国神社の創建に尽力したことを記念して銅像が建てられています。

第二鳥居(青銅大鳥居)

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靖国神社の第二鳥居です。

青銅製の鳥居としては国内でも最大級のものとされています。

神門

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靖国神社の神門です。

中央の扉には直径1.5mの巨大な菊花紋章が取り付けられています。

中門鳥居

人文研究見聞録:靖国神社 [東京都]

靖国神社の中門鳥居です。

拝殿

人文研究見聞録:靖国神社 [東京都]

靖国神社の拝殿です。

意外と欧米やアジア系の外国人参拝者も見かけられます。

能楽堂

人文研究見聞録:靖国神社 [東京都]

靖国神社の能楽堂です。

慰霊像・記念碑

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母の像
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戦没馬慰霊像
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軍犬慰霊像
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鳩魂塔

靖国神社の境内には多くの慰霊像・記念碑が安置されています。

喫煙所

人文研究見聞録:靖国神社 [東京都]

靖国神社の喫煙所です。

遊就館

人文研究見聞録:靖国神社 [東京都]

靖国神社の遊就館(ゆうしゅうかん)です。

戦争で使用される兵器や遺品、および各種資料や神社で祀られる英霊の写真などが展示されています。

戦争を知らない世代が戦争を知るために必要な物品の展示が多いため、一度は訪れておくことをお勧めします。

料金: 無料(遊就館は有料)
住所: 東京都千代田区九段北3丁目1番1号
営業: 6:00~18:00(冬季17:00)、遊就館(9:00~16:30)
交通: 九段下駅(徒歩8分)

公式サイト: http://www.yasukuni.or.jp/
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。