人文研究見聞録:九重の桜 [茨城県]

茨城県坂東市岩井にある九重の桜(ここのえのさくら)です。

将門公が紫宸殿(京都御所)の左近の桜を株分けして、この地にに植えたものと伝えられています。

そのため、坂東市の将門公ゆかりの史跡の一つに数えられています。

平将門についてはこちらの記事を参照:【平将門とは?】


由緒

伝承によれば、将門公が源護や平貞盛の報復によって朝廷で裁かれることになった際、紫宸殿で朱雀天皇の元服の儀が執り行われ、その恩赦によって帰国を赦されたとされています。その際、紫宸殿の南庭の左近の桜を株分けして、坂東の地に移植されたのが「九重の桜」とされています。

ただし、室町期に将門公の子孫である平守明が植えたものとも云われているようです。

なお、石碑にある説明は以下の通りです。

九重の桜

九重というのは「王宮」「皇居」を表す言葉であり、昔 中国の王城の門は九重につくる習わしであり、それから生まれたものである。

伝えによると、この桜は京都御所の「紫宸殿」前の桜を株分けし、将門公ゆかりの地に植えたものと云われ、もとは十数株群生していて、春になると単弁の白花が咲いて美しく、遠望すると白雲のようであったという。

九重の桜の雰囲気

九重の桜は田園地帯の一角にあり、石碑と共に聳え立っています。

写真は冬場に撮ったものなので花や葉はありませんが、春になれば綺麗な花を咲かせるそうです。

料金: 無料
住所: 茨城県坂東市岩井2454-2(一言神社付近
営業: 終日開放
交通: 三妻駅(徒歩123分)、坂東号 庁舎間シャトル「国王神社」下車ほか

公式サイト: http://www.city.bando.lg.jp/sp/page/page000386.html
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。