人文研究見聞録:大杉神社(松山市) [愛媛県]

愛媛県松山市にある大杉神社(おおすぎじんじゃ)です。

松山城の北麓のマンション街の一角に祀られており、江戸時代初期に罪人とされた儒者と、その生まれ変わりとされた白蛇を祀ったことを起源とし、後に長者ヶ平(ちょうじゃがなる)にあった大杉を船の材料として伐採したため、此処に祀る様になったと伝えられているそうです。

なお、神社の管理は、松山城の東に位置する東雲神社が行っているとされています。


由緒

大杉神社には創建由緒として、以下の様な説話があるとされています。

松山城主が加藤嘉明の時代、城主に咎められた儒者が長者ヶ平で割腹した。その首は城山の谷にある池で洗われ、体は現在の社殿よりも少し上に埋められ、そこに杉の木を植えて儒者の霊を祀ったという。

その後、儒者の首を洗った池は「首洗いの池」と呼ばれるようになり、いつしか白蛇が棲み付くようになった。土地の人々は「白蛇は儒者の霊生まれ変わりだろう」といい、その白蛇を「白龍大明神」として祀ったという。

また、昔 付近の田畑で怪我などの災害が頻発し、それが同じ田畑で起こることから怪しんで田畑を掘ると、その下からお稲荷さん(狐像?)が出てきたという。それは大杉神社の下に捨てられるようになり、それらが溜まると祠にまとめて祀ったという。

以来、大杉神社には 儒者の霊、白蛇、稲荷神が祀られるようになり、現在では祭神を大杉大神・白龍王大神・稲荷大明神として祀っている。

参考サイト:鐘馗(しょうき)さんと名城めぐり&好古揮毫石碑紀行

祭神

人文研究見聞録:大杉神社(松山市) [愛媛県]

大杉神社の祭神は以下の通りです。

・大杉大神:当地で割腹した儒者の霊(埋められた体の上に杉が植えられた)
・白龍王大神:儒者の首を洗った「首洗いの池」に棲み付いた白蛇(儒者の霊とされる)
・稲荷大明神:田畑で災害が頻発した際に地中に埋まっていたお稲荷さん(狐像?)を祀ったもの

料金: 無料
住所: 愛媛県松山市緑町1丁目3(マップ
営業: 終日開放
交通: 鉄砲町駅(徒歩6分)
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。