奈良県生駒郡斑鳩町岡本にある法起寺（ほうきじ）です。

聖徳太子建立七大寺の一つに数えられており、古くは岡本寺、池後寺（いけじりでら）、池後尼寺とも呼ばれたとされます。また、「法隆寺地域の仏教建造物」の一部として、世界遺産にも登録されています。

なお、当地は元は聖徳太子が法華経を講じた「岡本宮」の跡地と言われ、太子の遺言によって長子の山背大兄王（やましろのおおえのおう）が寺に改めたと伝えられています。




寺伝によれば、推古天皇30年（622年）2月22日、聖徳太子の遺言により、長子の山背大兄王が岡本宮を寺に改めたことに始まるとされます。

後に福亮僧正や恵施僧正によって伽藍や仏像が造られたとされますが、室町時代あたりから徐々に荒廃していき、江戸時代には三重塔を残すのみという有様だったそうです。

その後は所轄を転々とすることとなったそうですが、昭和25年（1950年）に法隆寺を総本山とする聖徳宗が開宗され、その本山の一つとなることで現在の形にまで再興したとされています。
なお、法起寺の詳しい縁起は以下の通りです。








法起寺の山門です。



法起寺の講堂（こうどう）です。

講堂の旧跡に建てられ、現在のものは1694年の再建であるとされています。



法起寺の聖天堂（しょうてんどう）です。

金堂の旧跡に建てられ、現在のものは1863年の再建であるとされています。

なお、聖天堂には本尊・歓喜天像を安置されています。



法起寺の収蔵庫（しゅうぞうこ）です。

本尊・十一面観音菩薩立像などの仏像が安置されています。



法起寺の三重塔（さんじゅうのとう）です。

現存する最古の三重塔とされており、縁起によれば、創建は慶雲3年（706）であるとされています。

なお、塔の高さは23.9メートルです。



法起寺の三重塔旧心礎（さんじゅうのとうしんそ）です。

心礎とは、 塔の心柱(しんばしら)の礎石のことです。



法起寺の鐘楼跡（しょうろうあと）です。

鐘楼とは、梵鐘を吊し、時を告げる施設のことを指します。



法起寺の蓮池です。



法起寺の鬼瓦です。

法隆寺と同様に、伽藍には多数の鬼瓦が使用されています。



法起寺の蓮池付近には家形の謎のオブジェがあります。