人文研究見聞録:勝鬘院・愛染堂(愛染さん) [大阪府]

大阪市天王寺区にある勝鬘院・愛染堂(しょうまんいん・あいぜんどう)です。

聖徳太子によって創建された四天王寺施薬院に始まるとされ、日本における社会福祉事業発祥の地であるとされています。

また、本尊の愛染明王は良縁成就・夫婦和合に御利益があるとされるため、縁結びのパワースポットとしても有名です。

なお、現在は四天王寺の別院とされ、西国愛染十七霊場・第一番札所や聖徳太子霊跡・第二十九番札所にもなっています。


寺院概要

縁起

寺伝によれば、推古元年(593年)に聖徳太子によって創建された四天王寺の施薬院(四天王寺内の薬園)に始まると伝えられ、勝鬘院という名前は、本堂に安置されていた勝鬘夫人の仏像に由来するとされています。

また、鎌倉時代には鎌倉幕府5代執権・北条時頼から寺領を寄進されたそうです。

愛染まつり

人文研究見聞録:勝鬘院・愛染堂(愛染さん) [大阪府]

愛染堂では毎年6月30日から7月2日にかけて、大阪三大夏祭りの一つに数えられる「愛染祭り」が開催されます。

祭の期間中は、金堂の愛染明王と豊臣秀吉が奉安したとされる大日大勝金剛尊が開帳され、JR天王寺駅前から勝鬘院までの間を愛染娘と呼ばれるキャンペーンガールを乗せた宝恵駕籠(ほえかご)が練り歩き、多宝塔にて夏越の祓の大法要が行われます。

境内の見どころ

愛染めの霊水

人文研究見聞録:勝鬘院・愛染堂の愛染めの霊水

愛染堂の愛染めの霊水です。

手水の水ですが、飲むと開運・夫婦和合・良縁成就・安産・出世・商売繁盛などの霊験を得られるとされています。

哲学の椅子

人文研究見聞録:勝鬘院・愛染堂の哲学の椅子

愛染堂の哲学の椅子です。

物思いにふけるのに最適な座り心地になっています。

腰痛封じの石

人文研究見聞録:勝鬘院・愛染堂の腰痛封じの石

愛染堂の腰痛封じの石です。

背もたれの突起に背骨のツボを押し当てながら呼吸をすると腰痛封じの効果があるとされています。

愛染かつら

人文研究見聞録:勝鬘院・愛染堂(愛染さん) [大阪府]

愛染堂の愛染かつらです。

恋愛成就・夫婦和合の霊木として、縁結びのパワースポットとなっているそうです。

金堂

人文研究見聞録:勝鬘院・愛染堂(愛染さん) [大阪府]

愛染堂の金堂です。

本尊に愛染明王を祀り、その他にも薬師如来、勝鬘夫人(弁財天)、歓喜天、十一面観音などが祀られています。

延命地蔵尊

人文研究見聞録:勝鬘院・愛染堂(愛染さん) [大阪府]

愛染堂の延命地蔵尊です。

かつて聖徳太子が衆生救済のために当地に六万体の地蔵を安置したとされており、そのうちの一つとされています。

如来塔

人文研究見聞録:勝鬘院・愛染堂(愛染さん) [大阪府]

愛染堂の如来塔です。

身代わり地蔵と身代わり観音が安置されており、身代わり地蔵は眼病に霊験あらたかとされています。

七福神

人文研究見聞録:勝鬘院・愛染堂(愛染さん) [大阪府]

愛染堂の七福神です。

七人それぞれの神に七通りに分けたご利益があるとされています。

多宝塔

人文研究見聞録:勝鬘院・愛染堂(愛染さん) [大阪府]

愛染堂の多宝塔です。

推古元年(593年)に聖徳太子によって創建され、慶長2年(1597年)に豊臣秀吉により再建されたものだそうです。

そのため、現在では大阪市最古の木造建造物として国の重要文化財にも指定されています。

なお、多宝堂の屋根の下には十二支の彫刻が刻まれており、これも多宝堂の見どころの一つとされています。

料金: 参拝無料
住所: 大阪府大阪市天王寺区夕陽ヶ丘町5-36(マップ
営業: 9:00~16:30、無休
交通: 四天王寺前夕陽ヶ丘駅(徒歩2分)、JR天王寺駅(徒歩15分)

公式サイト: http://www.aizendo.com/
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。